第1話「すべての終わり・すべての始まり」B
=================================== この作品は、リーフ製コンピューターゲーム「To Heart」およびバンダイビジュ アル製オリジナルビデオアニメ「真ゲッターロボ」のパロディです =================================== あかりと雅史が謎の影に襲われた翌日。 KSSの特殊部隊であるHEART(ハート)部隊は、奪われたカプセルの探索 と影の正体の解明に全力をあげていた。 HEART-23(ニイサン)部隊の隊長である保科智子は、指令室で次々と届けら れる情報に目を通していた。しかし、有力な手掛かりは見つからなかった。 「はあ……。荷物には発信機も付いてたっちゅうのに、なんで見つからへんの や」 「……隊長、トゥハート線反応です」 「なんやて? どこや?」 「浅間山のふもと……。『橋本トゥハート線研究所』跡ですね」 「……どういうことや? もうあそこで研究はされてないはずやろ」 橋本トゥハート線研究所は、かつて橋本博士がトゥハート線の研究をしてい た場所である。橋本博士の死後、謎の爆発事故が起き、閉鎖されたのだった。 智子の報告を受けたKSS上層部は、部隊の一部を浅間山に向かわせた。 「HEART-13部隊から入電! HEART-11、12、14部隊は全滅! 13部隊も壊滅状 態!」 「なに! そんなアホな!」 「続いての情報です! 敵機動兵器は『トゥハートロボG』と確認!」 「な、なんやてぇ!!」 モニターに無数のトゥハートロボGが次々とHEART部隊の兵器を破壊してい く、浅間山の様子が映しだされた。 それはあまりにも一方的な破壊と殺戮であった。トゥハートドラゴンのビー ムが、トゥハートライガーのドリルが、トゥハートポセイドンのミサイルが、 戦場を飛び交っている。 トゥハートロボGはトゥハートロボの強化量産形である。 インベーダー撃退後、橋本博士は再度の侵略を予言し、トゥハートロボの強 化量産の研究を始めた。 ドラゴン号・ライガー号・ポセイドン号の3体のハートマシンから構成され るトゥハートロボGは、トゥハート線増幅装置を内蔵しており、初代トゥハー トロボの10倍のパワーを持ちながらも量産性にすぐれたものになる予定であっ た。 しかし、完成前に橋本博士が殺され、開発は中断されていたのだった。 「なんや、何が起こっとるんや?」 「…………」 「彼が、動きだしたようですね」 「あ!」 指令室にやって来たのはKSS総隊長の来栖川芹香と、秘書を勤める姫川琴 音であった。 「総隊長、なんでここに……」 『ふふふふふ。いかがかな、わがトゥハート軍団の威力は』 「なんや!」 「通信に割り込まれています!」 『見れば、なつかしい顔が揃っているではないか』 「そ…… その声は、まさか!」 『怯えることはなかろう。我が名は橋本、地獄より帰った男よ。そう、この世 の最後の夜明けを見るためにな』 モニターに白衣を着た男の姿が浮かび上がった。顔色は少し薄暗く見えるが、 確かにその男は3年前に死んだはずの橋本博士であった。 「バ、バカな……」 『研究は発表されねばその価値はない。でなければ、浮かばれぬ。不幸が許し てはくれまい』 それが、橋本博士の全人類に対する戦線布告であった。 ※次回予告 圧倒的戦力の橋本軍団を前に、成す術がないKSSおよび日本軍。 最終手段として、橋本殺しの罪で投獄されていた浩之に出撃命令が下った。 復讐を果たさんがため、トゥハートロボに乗り込む浩之。 運命の歯車が、今、回りはじめる! 次回「真(チェンジ!!)トゥハートロボ」 「トゥハートチーム集結!! 悪のトゥハートドラゴン軍団!!」 お楽しみに!