予知能力
=================================== 予知能力 ※この作品には、KSSのテレビアニメ「To Heart」第7話のエピソードが含 まれています =================================== あかりの誘いに応じてサッカー部の試合を応援に来た琴音。 あこがれの雅史を目で追ううちに、敵の後ろからのタックルで彼が怪我をす る様子が頭に浮かんだ。例の能力(ちから)――予知能力――が働いたのだ。 「佐藤さん! 後ろ!」 「!」 琴音の声に、雅史は間一髪、タックルを避けることができた。 しかし、琴音の頭にはふたたび未来の映像が映しだされた。 「佐藤さん、前から野球のボールが!」 「うわっ(がつん!)!」 「佐藤さん、横から車が!」 「な、なんで(キキーッ!)!」 「佐藤さん、上から正体不明の何かドロドロしたものが!」 「うぎゃあああああ(ドロドロドロ)!」 タックルはともかく、さすがの雅史もこれらの出来事には対応できなかった らしい。 その凄惨な状況に、その場にいた者は誰も声を発することも、身動きひとつ することもできなかった。 「ああ、やっぱり……。こんな能力(ちから)なんか……」 ただひとり、その場から逃げ^H^H駆けだす琴音を除いて。 めでたしめでたし(をい)