1999年10月 1日

疑惑

=================================== 疑 惑 ※この作品は、リーフ製コンピューターゲーム「To Heart」のパロディです by Master ===================================  いつもと変わらない朝。  めずらしく早く目覚めたおれは、早めに家を出ることにした。あかりとは途 中で会えるだろう。 「ヒ~ロ! おっはよー!」  後ろから志保の声が聞こえてきた。振り向いておう、と答える。  志保のヤツは、なぜだかおれの頭をじろじろと見ていやがる。寝グセはちゃん と直して来たはずなんだが。 「なんだよ、おれの頭がどうかしたのか?」 「……ねぇ、ヒロ、ちょっと聞きたいんだけど……」 「なんだ?」 「……その頭、カツラってホント?」  ギクッ!  ……って、なんだこの擬音は! 違うだろ!  ズルッ! っと、おれはズッこけた。 「んなわけねーだろ! どっから聞いたんだよ、そんなこと」 「そりゃもちろん、志保ちゃんネットワークなんだけどさぁ」  志保のヤツはいまだに疑惑の目でおれの頭を見ている。しょーがねぇなぁ。 「それじゃ、さわってみろよ」  おれは志保に向けて頭を突き出す。志保はくしゃくしゃとおれの髪をかき回 しはじめた。 「あ、ホントだ。……へぇ、あんたの髪って、けっこうきれいなのねぇ」 「そりゃ、最新型だからな」 「は?」  うわっ、ヤバイ! ……じゃなくて、何言ってるんだおれは! 「と、とにかく、本当のことはわかっただろ!」 「うーん、確かな情報だったんだけどなぁ」  なんかまだ疑われているような気がする。そんなわけないだろうに、まった く……。 「志保、浩之ちゃん、おはよー。今日はふたりとも早いね」  天の助け!  その声に、おれと志保はあかりの方を向いた。 「あれ? あかり、髪形おさげに戻しちゃったの?」 「え?」  確かに、あかりの髪形は1年のころのおさげだった。最近はずっとおかっぱ だったから、なんか違って見えるぜ……。 「あ、いっけない!」  そう言ったかと思うと、あかりはすぽんと髪を外した…… って、おい!  かばんをがさごそと探し、取り出した新しい髪をかぶると、あかりはいつも のおかっぱリボンに戻った。 「そっか、今はしおり1だったね。てっきりしおり2だと思っちゃった」 (しおりってなんだーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!)  おれと志保は心のなかで叫ぶのであった。 おしまい

1999年9月 4日

神聖メイドロボ王国

「びえ~~~ん、またミートせんべいになっちゃいましたぁ!」 「あー、泣くんじゃない。ほら、耳カバーをなでてみろ」 「あ……」 なんだこりゃ(笑)

1999年5月16日

予知能力

=================================== 予知能力 ※この作品には、KSSのテレビアニメ「To Heart」第7話のエピソードが含 まれています ===================================  あかりの誘いに応じてサッカー部の試合を応援に来た琴音。  あこがれの雅史を目で追ううちに、敵の後ろからのタックルで彼が怪我をす る様子が頭に浮かんだ。例の能力(ちから)――予知能力――が働いたのだ。 「佐藤さん! 後ろ!」 「!」  琴音の声に、雅史は間一髪、タックルを避けることができた。  しかし、琴音の頭にはふたたび未来の映像が映しだされた。 「佐藤さん、前から野球のボールが!」 「うわっ(がつん!)!」 「佐藤さん、横から車が!」 「な、なんで(キキーッ!)!」 「佐藤さん、上から正体不明の何かドロドロしたものが!」 「うぎゃあああああ(ドロドロドロ)!」  タックルはともかく、さすがの雅史もこれらの出来事には対応できなかった らしい。  その凄惨な状況に、その場にいた者は誰も声を発することも、身動きひとつ することもできなかった。 「ああ、やっぱり……。こんな能力(ちから)なんか……」  ただひとり、その場から逃げ^H^H駆けだす琴音を除いて。 めでたしめでたし(をい)