Feeling Heart 裏版
ノア本部のある夜。 廊下を歩いていたソニアは、キースの部屋から明かりが漏れているのに気付 いた。 「まだ起きていらっしゃるのですか? キースさま?」 軽くノックして部屋を覗くソニア。 紫色の髪と赤い瞳の少女のポスターが貼られまくれ、同じ少女のフィギュア が所狭しと並べられたその部屋に、ソニアは軽い目眩を覚えた。 机についたまま、キースは眠っていた。プレイステーションのコントローラー はその手に握りっぱなしになっており、ディスプレイには「僕たち友達だよね」 と、さわやかに微笑むかわいらしい少年の姿が表示されている。 「もう……(怒)。あまり無理をされると、お身体にさわりますよっ!」 こめかみに怒りの四つ角を浮かべつつも、ソニアは毛布を取って、キースに かけようと近づいた。 その時、キースが何かつぶやく。 「……琴音ちゃぁん……。せっかく救ってあげようと思っているのにぃ……。 こんなに大好きなのにぃ……。なんで出てこなくなるんだぁ……」 ぶちぃっ!! ソニアの中で、何かがキレた。 次の瞬間、キースの部屋は轟音に包まれた。 翌朝。 キースは目を覚ました。 キッチンへ向かうと、すでにウォンが新聞を読んでいた。 「おはようございます、キースさま。……おや、急にアフロヘアになさって、 いったいどうされたのです?」 「いや、わたしにもよくわからないのだが、朝起きたらいつのまにか……」 その日一日、なぜかソニアは不機嫌だったという。 おしまい
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